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こうして書き止めようとすると、病気とは一つの旅なのだ。

僕は「帰って来た旅人」だ。

旅にでたら帰ろう。

 

▪️発症

 

最初の検査日が6月10日水曜日であるから、その前の週末から調子がおかしかった。

正確な記憶はないが、全体に疲れを感じ、消化の感じが力なかったように思う。

そして、土曜か日曜にドーンと重いのが来た。

 

みぞおちの辺り、たぶん胃だと思うが、そこに握りこぶしのような大きさの消化できない塊を感じた。

激痛ではないけれども、いてもたってもいられない、脂汗の出るような圧迫感がある。

 

胃に負担をかけて、近い状態になったことは二、三度あった。

お腹を撫でさすり、施術しながら、嵐が過ぎるのを待った。

たいてい身体が苦しいときは痛みに対応するホルモンがでて、いつのまにか眠ってしまうものである。

睡眠によって朝になるとかなり回復する。

 

ところが、全く眠れない。

圧迫感は少しも減らない。

今までの経験は「胃の渋滞」として表すことができた。

ふだんの消化機能が100とすると10くらいしか働いていない感じ。

それでも何時間か経つと軽くなってくる。

しかし、今回はその効果が現れない。

せいぜい2か3くらいしか動いていなのではないか。

横になっても少しも楽ではない。

夜10時くらいから、どうしたら楽になるかと、寝たり起きたりのたうちまわり、朝まで一睡もできなかった。

 

苦しいながらも朝を迎えた。

こういうとき、僕は医者には行かない。

とりあえず食べない。酒を飲まない(当たり前だ)。

それで収まってくれればいちばんいい。

 

食べるとしてももやしだけである。

これについては対策の項目で後述する。

 

とにかく全部の消化機能を休ませる。

 

狼は怪我をすると、巣にこもり、飲まず食わずで全く動かなくなるという。

体調が悪いのに「栄養を摂れ」と何か食べさせようとするのは間違いだ。

身体がほしがらないうちは摂らなくていい。

 

先日ネットで面白い記事を見た。コアラは20時間寝るが、それはユーカリの葉が消化が悪いからだというのだ。

4時間食べて20時間消化に使う。

 

消化は、ユーカリの葉の消化のよしあしは別にして、普通の食物でも、それくらいの「仕事」と認識したほうがいい。

消化はエネルギーを摂取するだけでなく、別のエネルギーを消費する。

 

だから、治癒を必要とするときは、消化の仕事は休んで、その力を治癒に当てる。

 

それから、シンクロームを教えた中で信頼している九州のF君に遠隔の交換シンクロームをお願いした。

彼はとても元気なので、僕は彼のお母さんをみる。

その代わり、彼が毎日二回シンクロームをしてくれるわけだ。

それでなんとかなるだろうと思っていた。

翌晩は少し回復し眠れたのである。

少し疲れやすいかなと感じながら、食べない以外は普通に過ごしていた。

 

ところが火曜日に陶芸に行って、「村松さん目が黄色い! 黄疸だ」と言われた。自分で写真を撮ってみるとたしかに黄色い。げーっ。

最初の写真。白目が黄ばんでいる。

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7月12日。一か月後。黄色くない。

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帰って肝臓について検索すると、肝臓は消化に胆液を出している。先日の苦しみは、胃が原因でなく、どうもこれがどこかで滞ったようだとわかった。

胆液という消化液があることくらいはうっすらと知っているが、それがでなくなると、これほど激甚な影響が出ると身をもって学習したのである。

 

お医者は相当嫌いであるが、黄疸ではさすがに実情を把握しないとまずい、と思って、医療ライターの友人に電話し、翌日の病院を予約したのである。

 

6月10日、血液と尿の検査。

結果は一週間後だった。

 

この結果がでてから、エコーとMRを取りに別の病院に行った。

数値は最悪だったが、炎症や肝硬変などは発見されなかったので一安心するのは、2週間以上後のことになる。

薬を飲まずに2カ月でγ-GTPが1500から50に下がる/2 発症