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村松さんに会ったのは、はっきり覚えていないが、4,5年前だと思う。
友人の紹介だった。その友人から「村松さんが、編集者として小説家・田口ランディを世に出した人」という話と、「村松さんには不思議な力?があって、身体の痛みを治癒することができる」と紹介された。その不思議な力を私が体験するとは、その時は全く思っていなかったと思う。

共通の知人の怪我のお見舞いに行ったとき、村松さんはベットに横たわっている知人の怪我をした部位(足)に施術を施した。それも部位に触れることなく、部位の近くで指を空で、まるで昔のテレビのチャンネルを回すように動かした。その施術を目の当たりにして、私も1カ月ほど前から痛みを感じていた右足の裏に、試してもらうようお願いした。

村松さんは私の足に向かって、気を集中させ、触れないギリギリの近さで、指を動かし始めた。患部の足の裏は、徐々に温かくなり、数分後痛みは消えていた。不思議な体験だった。

絡んでいた痛みの神経の糸を、ゆっくりと解されるような気がした。ありがとう、村松さん。

仲野泰生(なかの やすお 元岡本太郎美術館 学芸員 )

 

仲野泰生/メキシコのイサムノグチの壁画の前で
仲野泰生/メキシコのイサムノグチの壁画の前で

プロフィール
■氏名  仲野 泰生(なかの やすお)1955年東京生まれ
1978年 横浜国立大学教育学部美術科卒
1981年 横浜国立大学大学院教育学研究科修了
1995年 川崎市岡本太郎美術館準備室に学芸員として参加
1999年 川崎市岡本太郎美術館開館
■主な担当展覧会
1999年 開館記念展「多面体・岡本太郎 ―哄笑するダイナミズム」
2001年 「小沢剛*中山ダイスケ ―クロスカウンター」
2001年 「岡本太郎と縄文 ―いやったらしいほど逞しい美感」
2002年 「熱いまなざし ―岡本太郎とメキシコ」
2004年 「こんな日本 ―岡本太郎が撮る×内藤正敏が撮る」
2015年 「岡本太郎と中村正義 ―東京展」
■現在 (仮称)京都場・アートプロジェクト、アートディレクター
元川崎市岡本太郎美術館・学芸員